薬局内に台所を作ったのは1978年。
若かったせいもあり、保健所の方に、どうして薬剤師が「食」なのかと怒られ、薬局に台所等前例がないと困らせ、それを押し切ってのことでした。しかし今は、薬食同源という言葉は常識的になり、食べ方の重要性も知られるようになりました。最近は食育という言葉もよく耳にします。
改めて「食」をみつめなおしてみますと、どうやら食べるという事には大きく分けて二通りのとらえ方があると考えるようになりました。
"食べる"ことのとらえ方のひとつには、空腹や好奇心を満たす楽しみを中心とした「食」があります。
もう一つには、ヒトという動物として必然としての「食」です。他の自然界の動物がその食性に従って主食を食すようにひたすら生きるために食があるのです。
世界の国々の文化と共に、食にはそれぞれの気候風土を生き抜くための知恵から生まれた必然性があります。
例えば高冷地や砂漠のようなところに住む人々は乾燥から身を守るために、チーズやバター、ミルク等の乳製品は必需品です。寒い国の人は、油を多く取って、寒さから身を守るのです。
しかし高温多湿の国に住む私たちにとり、乳製品や油は日常的に食べる必要があるでしょうか?
喜び、楽しみの食ではあっても、必需品ではありません。
私たち日本人が何を食べたらよいかという事は、わたちが暮らす風土を考えればわかるはずです。
ここ、宮崎県綾町には日本最大の照葉樹の原生林が残っています。
チベット南部、タイ北部、中国の雲南から日本の東北・仙台辺りまでかつては照葉樹の森で覆われていたと言われています。
この照葉樹林帯といわれる、湿度が高くて温暖な気候の地域には、甘酒、納豆。味噌、しょう油、こんにゃく、お茶...といった共通の食文化が根付いています。
私たち日本人の食を考えるとき、この照葉樹林の森から生まれた食文化こそが必然性ではないかと考えています。
答えはいつも私たちの足もとにあるのです。
郷田薬局には様々な病気の方が相談に来られます。その時まず、どのような食習慣の方なのかを調べます。そして食のあり方を変えていただく事から仕事を始めます。
食べ物は人の身体の「肥料」。何よりの薬なのです。
漢方的食養正の基本的な考えに、「陰・陽」、「気・血・水」、「五味調和」があります。
何千年の昔から、個々の人と体と心と食の関係を的確に捉える漢方の知恵には学ぶことが多いのです。
五味調和とは、食べ物を「酸(すっぱい)・苦(にがい)・甘(あまい)・辛(からい)・鹹(しおからい)」の5つで表し、五味それぞれが関係する臓器の働きを助け、活性化させるという考えです。
例えば、
「酸(すっぱい)」=肝臓や胆のう
「苦(にがい)」=心臓や小腸
「甘(あまい)」=脾臓や胃
「辛(からい)」=肺や大腸
「鹹(しおからい)」=腎臓や膀胱
というようにそれぞれの味は各臓器を助ける働きをもちます。
すべてのものは、取り過ぎると身体を痛めます。
しかし、他の味を組み合わせることで各臓器の負担を軽減したり良くすることもできます。
お酒のおつまみに酢の物、豆腐に生姜やシソを添える。
この五味のバランスを、調味料や食材で整えて美味しくいただくことは、昔から日本人が続けてきた生きる知恵なのです。
オーガニックとは環境を汚さずつくったものをさします。
薬膳茶房オーガニックごうだでは、できる限り無添加・無農薬であることはもちろん、気候風土に見合っているか食材を充分に吟味しています。
また、日々の献立は五味調和のバランスを考えて料理しています。
薬膳と言っても漢方薬はつかいません。
家庭でも作ってほしいから、台所にある素材を使った日常食べてもらいたい食の一例をメニューに取り入れた「日替わり膳」のみをご用意しています。
真心を込めておもてなししたいと考えております。
食材へのこだわり
水-綾の名水を麦飯医師にとおしたミネラル水を使用
塩-昔ながらの海水を煮詰めた「海の精」を使用
酢-黒酢もしくは天然穀物酢
砂糖-粗糖もしくはオリゴ糖
油-椿油、米油、菜種油などの良質の天然植物油
ご飯-無農薬の米、小豆、黒豆、はと麦、粟などを一緒に炊いた五穀米
卵-郷田農園と黒木農園こだわりの卵を使用
野菜-綾を中心に全国からオーガニックの野菜を集めました
肉-水を飼料にこだわった綾産の肉を使用
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宮崎県東諸県郡綾町大字南俣303-4
電話番号:0985-77-0045
営業時間:12:00~14:00 L.O
(売り切れ次第終了)
夜は予約のみ
定休日:火曜日(祝日の場合は翌日)
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